糖尿病診療は日々進歩しています. 多くの新しい薬や
治療法が登場していますが, それに伴い診療も複雑化しています.
しかし, その一方では現時点において糖尿病は完治は難しく長く付き合っていくことが必要な病気です.
当院では糖尿病専門医の立場から, 現在においてコンセンサスの得られた治療法を, それぞれの患者さまに適切な形で提供させて頂きます.
1型糖尿病診療は2型糖尿病診療とは異なります. 基本的には糖尿病発症前の生活スタイルが出来るようにインスリン治療を行っていきます. ただし, そのためには様々な知識や経験が必要になります.
これまでに子供, 妊婦, 高齢者まで多くの1型糖尿病患者さまを診療してきました. 新たに1型糖尿病を発症した患者さまや, 既に治療をしているが上手く血糖コントロールができない患者さまは御相談をお受けしています.
1型糖尿病診療に関しては, 当院の診療以外にも高知大学医学部附属病院にて「1型糖尿病外来」の診療や、東京で定期的に行なわれている「若い糖尿病患者さんとのグループミーティング」にてファシリテーターを行っています.
妊娠時にはインスリン抵抗性が高くなり血糖値は上昇しやすくなります. そのためインスリン分泌が少ないかたや, もともとインスリン抵抗性の高いかたは、妊娠糖尿病になります. 妊娠期間中の高血糖は母児ともに悪影響を及ぼすことが明らかになっており, 厳格に血糖コントロールをする必要があります. 大学病院勤務時には妊娠糖尿病の臨床および研究を行い, 多くの症例を診療してきました. 現在は当院でも妊娠糖尿病の管理も行っています.
また妊娠糖尿病のかたは, 出産後に2型糖尿病になりやすいことが分かっていますので定期的な診察も必要になります。当院では糖負荷試験をはじめとした出産後の糖尿病診療も行っています.
現在, 高齢の糖尿病患者さんが非常に増加しています. 高齢の糖尿病患者さんの治療において注意することは低血糖を発症しやすいことです.
低血糖の原因としては加齢に伴う薬物の代謝・排泄能の低下, 食事摂取量の不安定性, 薬物の誤り, 自律神経の機能低下などがあります.
低血糖を起こすと誤嚥, 転倒・骨折, 認知機能低下, 不整脈, 死亡などの原因となりますので注意して糖尿病の治療していくことが重要です.
また糖尿病治療をしていても, 飲み忘れなどで上手く治療できない場合も多く, 糖尿病治療薬の工夫が必要になります. 当院では患者さんごとに適切な治療方法を考えていきます.